肩関節周囲炎、頚部痛、肩こりで絶対的な知識が必要となる肩甲挙筋。
それを今回、基本から応用まで深掘りします。
この記事を読めば素人さん~新人さんまで、基礎の理解と日常に役立てる事ができます。
また自宅でできる簡単ストレッチ&もう繰り返さない肩こり予防方法も紹介!自宅で簡単エクササイズ!
運動器認定理学療法士である臨床経験15年からの提案です!
最後までご精読よろしくお願いします。
解剖学
肩甲挙筋がどこにあるかというと、肩甲骨の辺りです。 名前の通り、肩甲骨を挙げる(上げる)筋肉なのです。
起始:第1~第4頸椎の椎体の横突起
停止:肩甲骨の上角、内側縁の上部1/3
機能:肩甲骨を上方に挙上
神経支配:肩甲背神経
筋の特性
この筋肉のチェックポイントは「肩こり」に深く関与しています。
肩甲挙筋は、首(頸椎)~肩(肩甲骨)にある筋肉であり、マッサージされると、とっても気持ちいいところです。ただし、過緊張している、筋硬結している場合は痛い場合もあります。
首~肩にかけてある筋肉は、他にも、僧帽筋(上部線維)もあります。 僧帽筋も肩こりの際はかなり緊張して硬くなることを現場でも実感します。 しかし、僧帽筋は大きく、ここをマッサージして筋緊張を和らげても、すぐに肩のコリがもどるってことも多くあります。 むしろ、ほとんどの人がこれだけでは不十分でしょう。 よく、「首~肩にかけてのスジが・・・」と言われる方が多いのも、恐らく肩甲挙筋を指していることが多いと思われます。
姿勢評価
肩甲挙筋が緊張して硬くなっている人は、後ろから肩の高さを見れば誰でも分かります。例えば、右の肩甲挙筋が硬いとしましょう、、 すると、そういう方の肩は、、 肩甲骨(肩)の腕側(右側)が下に下り、肩甲骨の首側(左側)が上に挙がって見えます。例えるなら、なで肩のような形になるのです。
肩こりがある + なで肩様の姿勢 =肩甲挙筋が硬い
特に左右差がある方は注意しましょう。
治療方法
最新の肩こり治療では肩甲挙筋と僧帽筋の間に、生理食塩水を少量注射する治療法まであります。 これにより肩こりが改善する報告も多数上がっています。 これは、筋膜リリースとって、筋肉間の癒着、滑走不全を生理食塩水を流すことで緩め(リリース)、肩こりが改善すると考えられています。 超音波(エコー)画像をみながら注射するので確実に、ピンポイントで注射することが可能なのです。
すなわち、、、肩甲挙筋の周囲を軟らかくすると、肩こりが改善するのは間違いないようです。
「肩こりはあるけど、注射は嫌だ」 「またどうせ肩こりになるからしない」 と言われる方もいるでしょう。 それなら、やはり自力で改善させるしかありません。ポイントは、肩甲挙筋の血行・柔軟性、姿勢なのです。
ストレッチ方法
右の肩甲挙筋を伸ばす場合は、首を左に傾けて、左手で右肩を下方(地面方向)に押し下げます。(下図)
ここで+α、ホールドリラックスを利用します。
※ホールドリラックスとは、筋肉は最大収縮した後に、最大の緩む、といった原理を利用したリラックス方法です。
ストレッチ姿勢から、肩をすくめて、5秒キープ。そして、またストレッチ姿勢へ。これを5回繰り返します。朝、夕の1日2セットすれば、劇的に肩が軽くなるでしょう。
姿勢(アライメント)改善
肩甲挙筋の過緊張の元凶は、姿勢不良です。
ストレットだけでは、一時的であり根本を解決するためには姿勢(アライメント)改善が必須です。そして、最も肩甲挙筋の負担を改善するのに着目すべき部位は、胸郭です。
胸郭は肩甲骨がのっており、また頸椎を支える基盤となっています。すなわち、胸郭の姿勢(アライメント)を整えれば、肩甲骨と頸椎を繋いでいる肩甲挙筋のストレス軽減につながるわけです。
胸郭のアライメントを改善する方方法
横になり、テニスボールや固めのタオルなどを背中に転がすようにずらしていきます。特に胸郭部は凸となっているので痛気持ちいくらいでやりましょう。
この方法により、固まった筋肉の過緊張が取れ、曲がった胸郭が徐々にまっすぐになっていきます。実施後は背中がまっすぐになったことを実感するはずです。
最後に
肩こりは腰痛に続く、日本人の疼痛訴え第2位となっています。
もし、周りに肩こりで悩まれている方がいらっしゃるのであれば、今回の記事での内容を試してみてください。きっと役に立つでしょう。
また臨床のセラピストでれば、自宅での簡単なホームエクササイズにもなるため活用してみてください。
ご精読ありがとうございました。
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